滋賀には、独特の香りがする鮒寿しという珍味があるのをご存知ですか?文字通り、淡水魚、鮒(フナ)とご飯で作られた食べ物。発酵食品なので一般的なお寿司とはかけ離れた外観です。実は、日本最古のおすしと言われています。平安時代の「延喜式」にも鮒ずしの記載がありました。
なれずしの流入経路とそのルーツは?
なれずしというジャンルは、タイ北部や中国雲南省が発祥とされています。
もとは、中国奥地で鯉を使ってつくられた寿司が始まり。稲作が伝わる時、近江に渡来。
そこから鮒が使われるようになったといわれています。
琵琶湖の固有種であるニゴロブナが適していたようです。
ちなみに、琵琶湖には多種のフナがあり、様々な種類のフナで作られています。
なぜフナ?理由はフナがたくさんとれたから!
昔は、琵琶湖周りの川は氾濫したり流れが一定でなかったり。
水田も今の田圃のように整備されていないため、梅雨時などの大雨では田圃も川も一面になっていました。
そこに遡上したフナが田圃の中で産卵。水田がニゴロブナの産卵場所に。
フナが一気に増えてとれるために、長期保存が課題になりそうです。
大量のフナの保存に困って採用される!
フナは貴重な食糧。しかし、同時期に大量にとれるけれど、昔は冷凍庫もありませんでした。
鮒の保存方法のひとつとして、米を使い発酵を促す鮒寿しの製法が定着していったと思われます。
酢を使うイメージはありますが、酢は江戸時代に生まれたものですので、古代の近江にはありませんでした。
しかしそんなニゴロブナも昭和60年頃から漁獲量が年々減少し、今では稀少な魚となってしまいました。
滋賀の方に話を伺うと、令和ではご実家で作っているケースは減少傾向。ハレの日にいただくものらしいです。
ニオイ対策で厳重にパッキングされたものが、道の駅などで販売されています。チーズと掛け合わせた変わり種鮒寿司(オスのフナ)もみかけました。
ちなみに、近江ではフナ以外に、あゆのなれ寿司を作っていた記載もあります。あゆも、フナほど大量とはいいませんが、琵琶湖ではよくとれる魚でした。
鮒寿司の楽しみ方はそれぞれ
- 日本酒と合うらしい
- 鮒寿司には、甘露漬けという種類があり、苦手意識のある方はそちらもおすすめらしい
- 出汁茶漬けのトッピングにすると苦手な方も風味を楽しめる♪
全国各地のなれ寿司情報
まだまだ日本には素晴らしい文化が継承されていますよ。こちらは皆様から情報を寄せていただけたら嬉しいです!
( ※ 随時追記します!)
風味やわらかめ
さんま寿司(和歌山)
→さんま寿司は和歌山県内道の駅で見つけました。
かぶら寿し(石川、富山)
かぶらに切り込みを入れぶりを挟み発酵させたもの。これは美味しいですよ、^_^
風味は、未知数
ハタハタ寿し(秋田県)
→お友達情報。特別な日にいただくものらしい。こちらは人参や大根もはいってます。