文学視点で楽しむ大和郡山~西ノ京散歩

大和郡山城 桜 お城まつり 満開

インバウンドで盛り上がる各地だが、実は奈良にはまだ穴場がたくさん!今回は3~4時間でさくっとまわれそうな大和郡山~西ノ京界隈を、「文学」「歴史」観点で紹介!

今回の公共交通は近鉄を使用。スタートは「大和郡山駅」。金魚で有名な城下町…2026にはまた大河で盛り上がってほしい場所。インバウンドはほとんど見かけない。快適に観光できるのが良い。

端的にまとめているPDFファイルもあるのでお急ぎの方は以下

効率よく散歩したい方向けに、関連スポットをマップにまとめたものも以下掲載。

リンクはこちら~!(文字をクリック)

大和郡山のおすすめ

①大和郡山城

このお城は地元の郡山衆が築いたとする話と、筒井順慶による築城説がある。関わったメンバーはおおく、見どころの石積は明智光秀や藤堂高虎が改修に関わっている。謎に転用石が多いのがポイント

見てほしい転用石は、天守台「逆さ地蔵」に近い側の角積み!なんと、南都平城京の羅城門からもってきた石が3つも使われている。きれいに四角くされている立派な石。周辺の石と明らかに色が違う。逆さ地蔵も面白いが、こういった奈良らしい転用石、明らかに寺から持ってきたと思える石もあちこちにあるのが特徴的。

建造物に関しては、再建された建物や門ばかり。石垣や堀、土塁は築城~改修のときのものである。代々の藩主は入れ替わりが激しい。その中でも長く幕末まで収めたのが、あの側用人柳沢吉保の子柳沢吉里。地元大和郡山での産業になっている「金魚」は、この柳沢吉里の趣味から始まったらしい。

金魚の養殖にはきれいな淡水、ため池などの環境が必要。ここ大和郡山は幸いにもため池もおおくあり、水質や水温等が金魚にピッタリあっていたらしい。幕末にかけては武士の副業にもなっていた。

文学の話に戻そう。ここ大和郡山は、今も現役で小説家を生み出している大阪文学学校の創始者小野十三郎先生の出身地。大和郡山にはその碑文もある。場所はGoogleマップを参考に!

西ノ京の歴史散歩

②薬師寺

こちらは4月、桜の時期に探訪したので満開!桜の本数は少ないがこの1本の桜の存在感は圧巻。薬師寺は奈良でも大手のお寺。伽藍配置は大学入試で出てきていた。特徴と見どころは、東西にある塔。特に、近年修復が完了した東塔はなかなかのバランス感と重厚感。和辻哲郎氏も絶賛している。

私も、古建築にハマったきっかけはこの東塔。上の水煙が特徴的で、国宝級の素晴らしさ。今は期間限定で「国宝展」で間近にみることも可能。よく法隆寺や興福寺と比較される塔。違いはわかりますか?ヒントは階数と屋根。

和辻哲郎氏も絶賛した東院堂の聖観音。たまたま大阪市立美術館の国宝展に運び出す日にあたってしまった。プロ中の少数精鋭プロのお引越しやさんが出動。普段は暗い伽藍の中でひっそり迫力を楽しめる。運良く開け放した扉から明るい中観音様を拝めるのはこの上ない幸運であった。

③唐招提寺

唐の僧・鑑真が日本の僧叡尊らの説得に応じ、5回渡航に失敗し失明しても6回目に来日。鑑真の像が有名だが常設で見せてくれないのでなかなか拝めない。今は期間限定で「国宝展」で拝めるそう。

井上靖氏の「天平の甍」では叡尊や鑑真のことが書かれている。

こちらの講堂は非常に貴重で、平城宮の建物がなんと移築、改修されたもの!貴重すぎる建物なのでぜひ見てほしい。

哲学者・和辻哲郎氏は、西ノ京巡りをしていたようで、今回の薬師寺、唐招提寺は同じ日に行き、さらに尼ヶ辻近くの垂仁天皇陵にも足を伸ばされている。

垂仁天皇陵も桜の時期がおすすめ。古墳の中でもわりと大きい方の古墳。宮内庁に管理されているため発掘調査等は厳しく中に入ることは叶わないが、一周回るとそれなりに時間がかかることはお伝えしておきたい。

飲食やお買い物情報

大和郡山は、城の反対側へいくとそれなりに充実している。立ち飲み屋さんなど下町の空気感もあって楽しい地域である。それとは対象的なのが西ノ京、尼ヶ辻。

お昼ごはんやお茶をするなら「西ノ京」薬師寺側がおすすめ。(数が少ない)

西ノ京珈琲…サンドイッチ、カレー、コーヒー、ケーキなど。満足度は高いが席数は20席未満。

唐招提寺へ向かう道の真ん中にも和食屋さんがある。金額はお手頃。ただし提供時間には要注意。

唐招提寺まで歩いてしまうと、お店やコンビニが本当になくなってしまうのでお気をつけて。

垂仁天皇陵の近くには奈良の地元スーパーがある。トイレ難民になりがちなルートなのでありがたい。この地元スーパー、侮りがたし。奈良の葉物は密かに人気で、このスーパーでは新鮮で栄養価の高い地元野菜が安価で買える。私は探訪した日に菜の花を購入した。

大好きな奈良をサクッとポイントだけかいつまんで紹介してみた。まだまだ書き足りない…

kanikama

中学生のころからハマった歴史。特に当時いちばん近くにあったのが「広島城」。原子爆弾の凄まじい爆風を耐え抜いた石垣に惚れ込み、「最強の野面積み」を眺めることから城へ興味を抱くきっかけとなり、大学でも歴史を専攻。文書から見える歴史だけでなく、フィールドワークで得た体感を大事にしながら「よりリアルで背景とリンクした考察」めざして今にいたる。

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